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「アセンション:神殺しの年代記」
「グローリー・トゥ・ローマ」
「オニリム」
この日はメンバーの都合が殆どつかなかったのですが、2人で試しておきたいゲームがあったため、伝五郎君と2人での例会となりました。
【アセンション:神殺しの年代記】
まずは「アセンション:神殺しの年代記」からスタート。
ドミニオン派生ゲームの1つであり、手に入れたカードがデッキに追加されていく、という基本システムは同じですが、異なる部分がかなり多いゲームです。
まず、カードサプライの作り方が大きく異なります。
ドミニオンは予め10種類の王国カードを選択し、それを各10~12枚ずつ山にしてサプライを作ります。
一方アセンションは、まず100枚のカードを1つの山札にし、この山札の上から6枚をめくってボードの配置スペースに並べて、プレイヤー共通のサプライとします。
ここからカードが獲得される都度、カードが補充されていく、という仕組みになっており、獲得できるカードが目まぐるしく変わります。
アセンションのカードには3つの種類があります。
ヒーローカードはそのターンの使い切りですが、様々な特殊能力を備えており、ターンアクションの基本となるカードです。
コンストラクトカードは一度プレイすると場に残り続けるカードで、瞬発力こそヒーローカードに及びませんが、確実に戦力を高めてくれます。
最後のモンスターカードは獲得してもデッキに入らず、報酬効果を与えてゲームから除外されるカードで、ヒーローカードやコンストラクトカードを駆使して打ち倒すべき相手です。
カードの種類はかなり豊富ですが、山札からいきなり手札に入ることはないため、サプライに登場した時に説明を行う形でも十分ゲームを進めることができるようになっています。
カードの獲得は、ルーンとパワーという2種類のポイントを使用して行ないます。
ルーンはヒーローカードとコンストラクトカードに対して使う、ドミニオンやサンダーストーンで言うところの「お金」です。
一方パワーはサンダーストーンの「攻撃力」に当たるもので、こちらはモンスターカードに対してのみ使うことができます。
ルーンのほうが普遍性はありますが、あまりパワーを軽視しているとサプライがモンスターばかりになったときに、対戦相手に大量得点を許してしまう可能性があります。
ゲームのプレイ感はかなり軽快です。
まず、ドミニオンと違い手札にあるカードは全て制限なく使用することができるため、カードの獲得のみでターンを終えることは殆どなく、デッキがダイナミックに展開します。
カードの獲得枚数にも制限がなく、好きなタイミングで使用と獲得が行えるため、プレイ手順が非常に重要になってきます。
また、初期デッキの10枚以外のカードに全て勝利点が付いていることも大きな特徴です。
ドミニオンの場合、「アクション+1,カード+1」というカードは一見無駄がないように見えてターンを損失しているのですが、アセンションの場合は例え「カード+1」だけのカードでも勝利点がついているため、獲得する意味があります。
というわけで、ルールインストもそこそこにプレイ開始。
今回は、立て続けに2回プレイしてみました。
最初のゲームでは、私のほうがやや早くパワーの出せるカードを投入し、サプライに現れたモンスターを次々と撃破していきました。
パワーが丁度足りたことも多かったため、(珍しく?)運が良かったのは間違いないでしょう。
伝五郎君も、勝利点が高く設定されているコンストラクトカードを多く投入して対抗しますが、ちょっと追いつきませんでした。
折角なので、続けてもう一度遊びました。
今度は伝五郎君のデッキが凄い回転を見せました。
ドロー系のヒーローを複数投入し、ルーンが増えたところでコスト7の強力なヒーローを獲得、更にそのヒーローが強力なヒーローを獲得することに寄与し・・・と勢いが止まりません。
私は今回はコンストラクトにやや傾いていたのですが、ヒーローの差がついたところにパワーがあまり出せず、対モンスターカードでも大きく遅れをとってしまいました。
途中で数十点の差がついたことが明確になり、これ以上続けても逆転の目もないだろうということで私が投了し、協議終了となりました。
兎に角「ストレスのないゲーム」という印象を受けました。
ドミニオンの場合、まずデッキ構築そのものが難しく、バランスを考えてカードを獲得していかないと酷いことになってしまいます。
勝利点を早く買い過ぎると何もできなくなる、アクションバランスを考えずにアクションカードを買うと、手札にあっても使えなくなる・・・等々。
勿論、そこがまたドミニオンの素晴らしいところではあるのですが、意外に自由度がない部分はストレスに感じる向きもあろうかと思います。
しかし、アセンションの場合はその辺りがばっさりと切り落とされて、スピーディーでストレスのないゲーム展開を楽しむことができます。
それでいて、カードのプレイ順や獲得順、倒すべきモンスターの選定等々、悩ましい部分は決して少なくありません。
ドミニオン派生ゲームではありますが、どちらかと言うとデッキ構築よりもターン毎のプレイテクニックに焦点が当てられているのではないかと思いました。
正直なところ、プレイ前は「サプライが共通でランダムだと、引きゲーになりやすいのでは?」という不安がありました。
確かに運の要素は小さくないのですが、実際にプレイしていると殆ど気になることはありませんでした。
軽快なテンポ、ダイナミックな展開がそう感じさせてくれるのだと思います。
なお、セットアップも100枚のカードをシャッフルし、勝利点トークンをプレイ人数に合わせて用意するだけで終了しますので、非常に早いです。
この点は意識的につくられているのだと思いますが、ますます好印象でした。
箱に関しても御覧の通り、収納は綺麗にできるようになっています。
この後、全カードをハードスリーブに入れましたが、多少配置を変えてやれば問題なく収まります。
文章では伝わりづらい部分が多いのですが、兎に角プレイしていて楽しいゲームでした。
感触としては、最適人数は2人だと思いましたが、今度は3人や4人でのプレイを試してみたいと思います。
現在のところ、国内での流通が殆どないのが残念なところですが、今後流通してくれることを願いたいです。
1戦目 いずみっくす:66◎ 伝五郎:49
2戦目 伝五郎:◎ いずみっくす:×(投了)
【グローリー・トゥ・ローマ】
さて、本日のメインディッシュである「グローリー・トゥ・ローマ」。
既に各地で非常に高い評判を受けており、極めて英語力の乏しい私がルールとカードを訳してしまうという行動に出てしまうほど期待の高いゲームです。
プレイヤーはローマ大火によって崩壊したローマの街を再建していきます。
ゲームの中核をなすのは144枚の命令カードですが、これは1枚で複数の役割を兼ねています。
実行するアクションによって、この命令カードが人となり、建物となり、資材となり、お金となっていきます。
手札にあるカードをどの種類のカードとして使うのか、この判断がこのゲームの一番悩ましい部分であり、同時に楽しい部分でもあります。
そのアクションの決定方法も非常に特徴的です。
ターンのスタートプレイヤーがこのターンのアクションを決定するカードを場に出すのですが、それと同じカードを出したプレイヤーのみが同じアクションを実行することができます。
これは、トリックテイキングのシステムですが、それ自体がゲームのメインではなく、あくまでアクション決定の手段としてこのシステムを採用したゲームというのは珍しいのではないかと思います。
アクションは全部で6種類、どれも重要な上に、それぞれが複雑に絡み合っているので選択が非常に悩ましくなっています。
クリエンテスを庇護して追加アクションを行う準備を整えるPATRON。
場に出ている資材を自分のものにするLABORER。
建物を作り始め、また完成に向けて建設を進めるARCHITECTとCRAFTSMAN。
皇帝の名のもとに場や他プレイヤーの手札から資材を要求するLEGIONARY。
集めた資材を売り、富を貯めこむMERCHANT。
建物は完成すると特殊能力が使えるようになります。
特定のアクションを強化したり、特定の資材を使いやすくしたり、果てはゲームを即座に終了させたり、とその効果は実に様々です。
自分の戦略に合った建物を選択し、素早く建てるのが短期的な目標となり、最終的にゲームに勝利するためのステップと言えるでしょう。
短いルールと長い長い建物の特殊能力の説明が終わり、ゲームスタート。
私は序盤、早い段階で建物を1つ完成し、そこからクリエンテスを増やす方向に動きました。
手札のカードは貴重なので、追加アクションが欠かせないという判断です。
この方向は間違っていなかったと思うのですが、それを重視するあまり、他のアクションがしづらい状態が続いたのは痛手でした。
一方、伝五郎君は序盤から積極的にMERCHANTアクションを実行し、どんどん資材を売っていきます。
こちらの動きが取れないのが分かっていたため、ここで結構な資材やお金を稼がれてしまったのが痛かったです。
中盤に入ると、これまで増やしてきたクリエンテスが力を発揮してきます。
大抵のアクションは追加アクションができるようになったので、命令カード1枚当たりの効率が飛躍的に上昇しました。
建物を増やしつつ、遅まきながら資材を売りに出してお金を貯めていきます。
しかし、この時点で伝五郎君は既にその時点での上限である10枚のカードをお金に変えており、差はまだ大きく見えます。
何とかして追い付こうと更に建物を増やそうとしましたが、既にゲームは終了間近。
結局建物が増やせないままローマの復興が完了してしまい、ゲーム終了となりました。
結果は7点差で私の負け。
やはり、序盤からお金に変えていた資材の差が、最後まで埋められていませんでした。
というわけで、評判に違わぬ非常に面白いゲームでした。
基本システムはとても分かりやすいのですが、要素が多くて複雑に絡み合っているため、悩みどころはかなり多くなっています。
非常に要素が多いので、戦略のヴァリエーションは無限とも言える広さがありまのすが、そこはカードゲームであり、ドロー用の山札も全員共通ですので、手札に引いてきたカードに応じて戦略を立てざるを得ません。
では手なりの引きゲーなのか、と言うと全くそういうことはなく、手札によって戦略が適度に絞られているのが寧ろ丁度良く感じるほど、このゲームの戦略の幅は広いです。
カードの引きという運の要素のお陰で、逆に無限の思考地獄に陥ることもなく、比較的短時間で濃厚なジレンマを楽しめることができるように仕上がっているのは素晴らしいと思いました。
敢えて難点を挙げるとすれば、ルール説明が大変なことでしょうか。
基本システムは上記の通り簡単なのですが、兎に角建物の特殊能力の説明に時間がかかります。
戦略の根幹に関わる重要な要素なので説明を省略するわけにはいかないのですが、今回もそれだけで1時間はかかってしまいました。
これは後でリファレンスを作っておく必要がある、と感じました。
しかし、大変なルール説明をクリアしてても遊ぶに価値のある優れたゲームだと思います。
これまた国内流通がないのが残念極まるところですが、近々ルックアウトゲームズから発売される、という情報があるので、それを機に国内での流通・・・いや寧ろ日本語版を期待したいところです。
※より細かいゲーム内容については、こちらのルール抄訳を御覧ください。
伝五郎:39◎ いずみっくす:32
【オニリム】
最後に軽いゲームということで、「オニリム」をプレイしました。
プレイ人数が1~2人で、2人プレイの場合協力型ゲームになるという非常に珍しいタイプのゲームです。
・・・ところが、ゲームプレイに致命的なルール間違いをしていたため、参考記録以下の結果になってしまいました。
いやあ、いくらなんでも難易度が高すぎると思ったのは勘違いではなかったです(;´∀`)
